Bitget App
スマートな取引を実現
暗号資産を購入市場取引先物コピートレード自動売買Bitget Earn

コインベース、情報公開請求でSECとFDICを提訴、コンサルのHistory Associatesも協力で

neweconomy-news (JP)2024/07/02 07:58
著者:髙橋知里

規制慣行の透明性を追求するコインベース

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、米証券取引委員会(SEC)、連邦預金保険公社(FDIC)に対し、情報公開法(Freedom of Information Act)の要請に応じなかったとして6月27日起訴した。

なお同訴訟にはコンサル会社の「ヒストリー・アソシエイツ(History Associates)」も協力している。

FDICに対する起訴状の中でコインベースは、連邦金融規制当局が暗号資産業界を銀行部門から切り離そうとしていると非難。「2年近くにわたり、SEC、FDIC、連邦準備制度理事会を含む連邦金融規制当局は、デジタル資産業界を機能不全に陥れようと、あらゆる規制手段を駆使してきた。この情報公開訴訟は、その違法なスキームにおけるFDICの役割を明らかにすることを目的としている」と述べている。

またSECに対する起訴状によれば、コインベースはSECに、イーサリアム(ETH)に対する見方についての情報を求めていた。

同社は特に「イーサリアムのプルーフ・オブ・ステーク・コンセンサス・メカニズムへの移行に関するすべてのコピーと記録へのアクセス」をSECに求めたが、SECはこの要求を拒否し、さらにはヒストリー・アソシエイツの訴えを拒否したと述べた。

ヒストリー・アソシエイツはさらに、和解済みの2つのデジタル資産訴訟関連の文書も求めている。ひとつは、2018年の訴訟でSECが「デジタル資産証券」とみなしたイーサリアムを扱うオンラインプラットフォーム「イーサデルタ(EtherDelta)」を設立したザカリー・コバーン(Zachary Coburn)氏に関するもので、もうひとつは、2017年にSECが未登録証券と裁定したENGトークンを販売したデータ暗号化の新興企業「エニグマMPC(Enigma MPC)」についてのものだ。

ヒストリー・アソシエイツは訴状にて、「数年前に和解で終結した調査の文書を保留するSECの根拠は、そもそもコインベースがコバーン氏とエニグマMPCの文書を求めた正当な目的、つまりデジタル資産業界に対するSECの激しい強制執行の根底にある法律観を理解することを挫くために仕組まれている」と述べ、「SECの妨害は情報公開義務に違反している」とした。

またFDICに対する訴状の中では、コインベースはFDICの 「ポーズ・レター」に関する情報公開請求を送ったと述べている。FDICの監察総監室(Office of Inspector General)の2023年の報告書によれば、FDICは2022年3月から2023年5月にかけて、一部の金融機関に対して暗号資産関連の活動の拡大及び詳細な情報提供を行わないよう求める 「ポーズレター」を発行し始めたという。

監察総監はその報告書で、FDICはその情報を見直す期間を示さなかったため、不確実性とリスクを生む可能性があると述べている。

コインベースは訴状の中で、「ポーズ・レターは、金融機関の暗号資産関連の活動を監督するための誠意ある努力ではなかった。FDICや他の規制当局が、デジタル資産関連企業を必要な銀行サービスから切り離そうとする計画の一部であり、その一環だ」とし、この状況が「オペレーション・チョーク・ポイント」として知られる過去の取り組みに似ていると述べた。「オペレーション・チョーク・ポイント」は、金融規制当局が銀行に圧力をかけ、特定の業界との関係を打ち切らせるというプログラムであり、物議を醸していた。

ヒストリー・アソシエイツは、OIGの報告書に記載されたすべての「ポーズ・レター」のコピーを求める情報公開請求書を提出。しかし、FDICはこれを拒否。訴状によると、FDICは後に、これらの書簡を公開することは「書簡が送られた特定の銀行に関する情報を必然的に明らかにし、金融機関とその規制当局との間のコミュニケーションの核心に立ち入ることになる」と述べている。

コインベースとSECは現在、別の法廷闘争も行っている。SECは昨年6月、コインベースが証券である暗号資産取引を扱うことで未登録のブローカーとして違法な運営を行い、連邦証券法に違反したとして、同取引所を提訴していた。

なお裁判所は今年3月、同訴訟において、SECの主張には説得力があるとしコインベースの申し立てを却下し、SECのほとんどの請求を続行させると決定したが、コインベースウォレットに対する請求については根拠がないとして棄却している。

SECは、コインベースがウォレットサービスを提供することで、未登録のブローカーとして第三者のために有価証券取引を行う事業を運営していたと申し立てていた。

Financial regulators have used multiple tools at their disposal to try to cripple the digital-asset industry. @SECGov has claimed sweeping authority, but refuses to provide any rules, let alone consistent or coherent ones. While @FDICgov pressured financial institutions to cut…

— paulgrewal.eth (@iampaulgrewal) June 27, 2024

関連ニュース

  • 米SEC、コインベースの仮抗告申し立て却下を裁判所に要請
  • 米連邦判事、SEC訴訟に対するコインベースの棄却申し立て却下
  • コインベースとSEC、「暗号資産か証券か」で米法廷にて対立=ロイター
  • 米SEC、コインベース提出の暗号資産規制の制定請願を拒否、各所から批判の声
  • コインベースが米SEC訴訟の取り下げを求める、SECの管轄範囲拡大指摘も

参考: 訴状(FDID) ・ 訴状(SEC) ・ FDIC レポート
image:iStocks/gorodenkoff

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

前の記事 プレイシンク、ポイントをトークンに転換するロイヤリティプログラム「NewLo」発表 次の記事 米サークルがEUでUSDCとEURC発行可能に、Mica準拠で

合わせて読みたい記事

米最高裁が「シェブロン法理」無効化、政府の規制権限を制限で暗号資産業界には追い風か 米連邦最高裁判所が、「規制を巡る法律が曖昧な場合に政府機関へ解釈を委ねるという判例」を無効とする判断を6月28日下した
髙橋知里 ニュース
米連邦保安局、コインベースに暗号資産カストディ委託 米ナスダック上場の暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、米連邦保安官局(USMS)よりデジタル資産の保管および取引を行うための事業者に採択されたことを7月1日発表した
大津賀新也 ニュース
米サークルがEUでUSDCとEURC発行可能に、Mica準拠で 米サークル(Circle Internet Financial)が、「欧州連合暗号資産(仮想通貨)市場規制法案(MiCA)」に準拠した、初のグローバルステーブルコイン発行企業となったことを7月1日発表した
大津賀新也 ニュース
プレイシンク、ポイントをトークンに転換するロイヤリティプログラム「NewLo」発表 国内Web3関連企業プレイシンクが、ポイントをトークンへ転換する、新たなロイヤリティプログラム「NewLo(ニューロー)」プロジェクトを7月2日発表した
大津賀新也 ニュース
バイナンスジャパン、ネム(XEM)上場廃止へ 国内暗号資産(仮想通貨)取引所Binance Japan(バイナンスジャパン)が、暗号資産ネム(XEM)の上場廃止予定を7月2日発表した
大津賀新也 ニュース
メタプラネットが10億円分のビットコイン追加購入、合計保有数161.2677BTCに 東証スタンダード上場企業のメタプラネットが、同社として3度目となるビットコインの追加購入完了を7月1日発表した
大津賀新也 ニュース
21Shares、VanEckに続き「ソラナ現物ETF」を米SECに申請 スイス拠点の資産運用会社21シェアーズ(21Shares)が、米証券取引委員会(SEC)に暗号資産ソラナ(SOL)の現物価格に連動した上場投資信託(ETF)のS-1申請書類を6月28日提出した
大津賀新也 ニュース
ワームホールがWorldcoinの「ワールドID」をソラナに統合、クロスチェーンID検証を可能に クロスチェーンプロトコルのワームホール(Wormhole)が、分散型IDプロトコルのワールドコイン(Worldcoin)の認証システム「ワールドID(World ID)」を、ソラナ( Solanaブロックチェーンに統合することを6月27日発表した
一本寿和 ニュース
【7/1話題】ソニーがアンバージャパン買収、イーサリアム現物ETF開始時期は先延ばしかなど ソニーがアンバージャパン買収で暗号資産交換業に参入、昨年に代表は交代済み、バイナンスジャパンに「アプトス(APT)」上場へ、Zaif、ステーキングサービスに「シンボル(XYM)」追加へ、米SEC、「イーサリアム現物ETF」申請書類を発行体に返却、開始時期は先延ばしに=報道、米SECがコンセンシスを提訴、MetaMaskのスワップとステーキングの証券法違反で、ソラナ上のDeFi「ゼータマーケッツ」、独自トークン「ZEX」のエアドロ実施、メルカリ「ビットコイン取引サービス」、平均取引金額1位は徳島県、アプトス財団が日本での活動強化、アリババクラウドとMove開発者コミュニティ「Alcove」立ち上げ、ワールドコインがアルケミーと提携、独自チェーン「World Chain」インフラ提供で、「学生Web3超会議だお in Kyoto」7/6開催、IVS Crypto公式サイドイベント
あたらしい経済 編集部 Sponsored
0

免責事項:本記事の内容はあくまでも筆者の意見を反映したものであり、いかなる立場においても当プラットフォームを代表するものではありません。また、本記事は投資判断の参考となることを目的としたものではありません。

PoolX: ステーキングして獲得
10%以上のAPRを獲得しましょう!ステーキングすればするほど報酬が増えます。
今すぐステーキング!

こちらもいかがですか?

オーストラリアの「オペレーションクラーケン」、組織犯罪ウォレットのシードフレーズ解読で600万ドル以上の暗号通貨を押収

オーストラリア連邦警察は、暗号化メッセージングプラットフォームGhostの首謀者とされる人物に対する捜査の結果、640万ドル相当の暗号通貨を押収しました。AFP主導の犯罪資産没収タスクフォースは、容疑者の自宅で発見されたハードウェアウォレットデバイスからシードフレーズを解読しました。

The Block2024/10/02 10:07