Coinbaseの製品責任者がハッキングされたユーザーの仮想通貨32万ドルを発見していた

ハッキングされたユーザーの仮想通貨32万ドルが発見される

大手仮想通貨取引所 コインベース （Coinbase）の製品責任者であるコナー・グローガン（Conor Grogan）氏は、調査を通じて32万ドル（約4,660万円）を超える大量の未使用仮想通貨を発見していた事がわかった。

I found $322k for a stranger who previously lost their life savings in a hack pic.twitter.com/K1gUqEkAPh

— Conor (@jconorgrogan) July 5, 2023

同氏によると、彼はハッキングされて奪われたユーザー資金を見つけたのは、イーサリアムクラシック（Ethereum Classic/ETC）の最も裕福なアドレスのリスト確認から始まった探求の末の発見だったという。同氏が説明したように、イーサリアム（Ethereum/ETH）のネットワークは2016年に分岐して2つの別々のチェーンを作成。イーサリアムに資金を保有していたユーザーは、もう一方のネットワークのイーサリアムクラシックに1:1で資金が入金された。このエアドロップは、基本的に当時の ETH 所有者へのETCトークンの配布として機能。思いがけない利益にもかかわらず、かなりの数の受信者は新たに得た富を決して利用せず、手つかずの未使用トークンの山が残っていた。

奪われた資産発見までのプロセス

グローガン氏は、ETCで25万ドル（約3,650万円）を超える金額を保有する約20のアドレスを特定している。

同氏はこれらのアドレスの所有者に連絡できる可能性のある連絡方法を探しつつ、対象となるアドレスを1つ1つ徹底的に調べたとのこと。当時はアドレスのタグ付けが今ほど発達していなかったにもかかわらず、注目すべきプレフィックス「0x475」を持つアドレスを偶然発見。最初は新しいアドレスも行き詰まりのように見えたが、すぐに「EOSDAC」という名前を見つけ、さらに調査した結果、2018年にイーサリアムでイオス（EOS/EOS）保有者にエアドロップされたトークンの名前であったことが判明。エアドロップにより、イーサリアムウォレット所有者はEOSアドレスに接続され、同氏は0x475が2019年に全財産を盗まれ、サイバーセキュリティプロバイダーおよび仮想通貨取引所のBitfinex（ビットフィネックス）と法廷闘争中であることを突き止めたとのことだ。

調査の締めくくりとして同氏は、何も知らない所有者と連絡を取り、資産の回復を伝えたという。