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米裁判所、クラーケンの米SEC提訴却下の申立てを却下。訴訟は続行へ

neweconomy-news (JP)2024/08/26 05:34
著者:髙橋知里
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米SECによるクラーケン訴訟は続行へ

カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所が、米証券取引委員会(SEC)による訴訟の却下を求める米大手暗号資産(仮想通貨)取引所のクラーケン(Kraken)の申し立てを却下し、訴訟の続行を認めた。8月23日付けの裁判資料にて明らかとなった。

本件はSECが昨年11月、クラーケンの2つの事業体であるペイワード(Payward Inc.)とペイワードベンチャーズ(Payward Ventures Inc.)に対し、未登録の取引所を運営したとして提訴したことから始まったもの。

SECは声明にて、クラーケンは少なくとも2018年9月以降、暗号資産証券の売買を違法に促進し、数億ドルを稼いだとし、クラーケンが未登録の取引所としてだけでなく、未登録のブローカー、ディーラー、清算機関サービスも組み込み運営したと指摘していた。

さらにSECは、クラーケンが時々で顧客資金を保有する口座から直接運営費を支払っていたと主張。顧客資産と自社資産を混合していると訴えていた。

今回裁判所は、クラーケンが申し立てた訴訟の取り下げを却下したが、その理由は裁判所が、SECはクラーケンの暗号資産取引の一部が証券法の対象となる「投資契約」にみなされる可能性があると「もっともらしく主張している」と判断したためだ。

法定文書にて裁判所は「SECは、クラーケンがそのネットワーク上で行っている暗号資産取引の少なくとも一部は投資契約に該当し、したがって証券であり、したがって証券取引法の対象となる、ともっともらしく主張している。したがってこの申し立ては却下する」と述べている。

両社の主張

SECはクラーケンが、カルダノ(ADA)、アルゴランド(ALGO)、コスモス(ATOM)、ファイルコイン(FIL)、フロー(FLOW)、インターネットコンピューター(ICP)、ディセントラランド(MANA)、ポリゴン(MATIC)、ニアプロトコル(NEAR)、OMGネットワーク(OMG)、ソラナ(SOL)を含む複数の暗号資産の取引を可能にしていると主張。SECはこれら資産がクラーケンのプラットフォーム上で投資契約を構成する方法で取引されているため、証券取引法の対象となるとしている。

一方クラーケンは、同社が仲介する取引は有価証券を含まないため、SECの規制範囲に該当しないと主張。

また、SECは議会で承認された権限を逸脱しているとし、「SECはすべての投機的な投資を規制する権限を持っているわけではない」と弁護士を通じて主張している。

オリック判事の判断

ウィリアム・H・オリック(William H. Orrick)判事は、「Howeyのテストは、取引がプライマリー・マーケットかセカンダリー・マーケットかに関係なく、ある取引が投資契約を含むかどうかを裁判所が判断しようとする場合にはどこでも適用される」と強調。

また、「暗号資産自体は比較的新しい金融商品であるが、SECがそれに対する規制権限を主張しようとしている原理(Howeyテスト)は新しいものではない」と述べている。

また判事は、クラーケンが2020年から2021年にかけてトレーディング・デスクから4300万ドル以上の収益を得ていたことを指摘。その一因として、取引手数料を徴収し、売買できる資産の数にほとんど制限を設けていなかったことを挙げている。

SECはFTXの破綻以降、暗号資産業界へ数多くの強制執行を実施してきた。SECの規則の不明確さは業界を混乱させており、規制慣行の透明性を追求するコインベースとSECはいまだに係争中だ。

オリック判事は暗号資産取引所のバイナンス(Binance)とコインベース(Coinbase)もSECの訴えを棄却できなかったとも述べている。

クラーケンは20日以内に訴状に返答しなければならない。なお裁判の期日は10月15日が提案されている。

なお今回の判決はあくまで訴訟を進めることを認めるものであり、暗号資産が証券だと認めるものではない。

参考: 裁判資料
画像:ロイター

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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