親クリプト派議員マクヘンリーとエマー、エアドロップに対するSECの姿勢問う書簡をゲンスラー委員長に送る
エアドロップはハウィーテストに抵触するか
米下院金融サービス委員会のパトリック・マクヘンリー(Patrick McHenry)氏と共和党のトム・エマー(Tom Emmer)下院議員は、米証券取引委員会(SEC)に対し暗号資産(仮想通貨)業界におけるトークンエアドロップについての姿勢を確認した。両氏がSECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長に宛てた9月17日の書簡にて確認できる。
書簡にて両議員は「SECは、さまざまなケースにおけるエアドロップに関する主張や、追加の執行措置に対する警告の増加など、敵対的な規制環境を作り出すことで、その親指を秤に載せ、米国市民がインターネットの次世代を形成することを妨げている」と指摘。またSECがエアドロップを取り上げた事例として、トロン(Tron)創設者であるジャスティン・サン(Justin Sun)氏に対する訴訟事件などを挙げた。
SECは、2019年の「デジタル資産の『投資契約』分析の枠組み」の脚注で、エアドロップが「有価証券の販売または配布」とみなされる可能性があると述べている。
エマー氏とマクヘンリー氏は、開発者は「エアドロップで暗号資産を受け取る米国人をブロックせざるを得ない状況に追い込まれている」と述べ、「米国人のエアドロップへの参加を禁止することで、SECは暗号資産ユーザーがブロックチェーン技術の恩恵を十分に享受することを妨げている」と続けた。
両議員は、エアドロップが「ハウイー・テスト(Howey Test)」に抵触するとSECが考えているか。もしそうなら、どのような状況や取り決めにおいてかという問いや、SECがエアドロップを航空会社のマイレージやクレジットカードのポイントとどう区別するつもりなのかなどの質問をゲンスラー委員長に送り、9月30日までの回答を求めている。
なお「ハウイー・テスト」とは、米国において特定の取引が、証券取引の定義の一つである「投資契約」に該当するかどうかを判定するテストである。
またマクヘンリー氏とエマー氏は親クリプト(ブロックチェーン・暗号資産関連の総称)派として知られる人物だ。
マクヘンリ―氏は、ゲンスラー委員長を度々厳しく追及しており、昨年4月18日のSEC監督審査(公聴会)の場ではゲンスラー委員長に対し、「米国法の下で、ETHはSECの管轄下にある証券か、証券先物取引委員会(CFTC)の管轄下にある商品(コモディティ)かについて明確な回答を求める」と迫り、答弁の中で明確な回答を避けるゲンスラー委員長の発言を何度も遮り、「現行法の下でETHは商品か証券を判断してほしい」と指摘している。
エマー氏は昨年9月26日にゲンスラー委員長に対し、現物(スポット)ビットコイン上場投資信託(ETF)の上場を認めるよう求める書簡を他の下院議員らと連名で送っていた。
参考: 書簡
画像:Reuters
関連ニュース
- 親クリプト派マクヘンリー米下院議員、SECのイーサリアム調査を非難
- 米最高裁が「シェブロン法理」無効化、政府の規制権限を制限で暗号資産業界には追い風か
- 親クリプト派のマクヘンリー下院議員、臨時下院議長に就任
- 米SEC再編とゲンスラー委員長の解任求める法案、米下院に提出
- バイデン大統領、SECの暗号資産会計ルール「SAB121」無効化法案に拒否権発動
関連するキーワード
親クリプト派議員マクヘンリーとエマー、エアドロップに対するSECの姿勢問う書簡をゲンスラー委員長に送る
この記事の著者・インタビューイ
あたらしい経済 編集部
「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。
これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。
「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。
これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。
合わせて読みたい記事
免責事項:本記事の内容はあくまでも筆者の意見を反映したものであり、いかなる立場においても当プラットフォームを代表するものではありません。また、本記事は投資判断の参考となることを目的としたものではありません。
こちらもいかがですか?
SECのゲイリー・ゲンスラー委員長、辞任を示唆する声明を発表
シグナム(Sygnum)最新調査で機関投資家の約60%が仮想通貨にロングベット
BNBが620ドルを下回る
SOLは210ドルを下回る