著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・安値圏でのもみ合い、60,000ドルを何度か割り込むも、半値押しではサポート

・ヒズボラ・ナスララ氏が殺害される前に停戦案に合意していたことが判明、物議を醸す

・イスラエルがシリアにあるロシア軍基地の隣を攻撃、米大統領は石油施設への攻撃協議

・本日は雇用統計に加えCME金曜先物の初期日、週末のイスラエルの出方も注意

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は安値圏でのもみ合い。

60,000ドル(約880万円)を何度か割り込んだが、9月の上昇の半値押しとなる59,500ドルを割らずに持ちこたえている。

BTCは9月6日に52,000ドル台半ばで切り返すと、27日に66,000ドル台半ばでピークアウト、イスラエルのレバノン侵攻やイランの報復攻撃などを嫌気して60,000ドル近辺まで失速、半値押しでサポートされている。

一昨日はイラン外相が攻撃は終了したとしたこともあり60,000ドル台半ばで切り返すと、昨日未明には62,000ドル台まで反発を見せたが、米大統領がイスラエルがイランの核施設に反撃することは支持しないとしたことがかえって懸念を呼び、60,000ドルを一瞬割り込んだ。

その後、円安を受けて日本株が大きく上昇、リスクオンの流れの中でBTCは61,000ドル台に値を戻していた。

しかし、CNNでレバノン外相がイスラエル軍の空爆で殺害されたヒズボラの最高指導者ナスララ氏が米仏の停戦案に合意し、その旨、伝えていたと明らかにし衝撃が走った。

更に、イスラエルがシリアのロシア軍基地に隣接する武器庫を攻撃したことが伝わると、リスクオフの流れから60,000ドルを再トライ、一度跳ね返されるが、米州時間に入ると再び59,000ドル台に値を落とした。

半値押しの水準ということもあり下げ渋ると、バイデン大統領がイスラエルの反撃は今日は無いとしたこともあり反発。しかし石油施設への攻撃を協議しているとすると原油価格が急騰、再び59,000ドル台を付けるなど不安定な値動きを続けた。

ホワイトハウスがナスララ氏が停戦に合意していたことを知らされていなかったとコメント、BTCは値を戻すと、今朝方、米東海岸の港湾ストが停止されると、リスクオンの流れもあり61,000ドル台に値を戻している。

本日のBTC相場

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