英国裁判所、7億7000万ドル相当のビットコイン埋立地ハードドライブ訴訟を棄却

英国裁判所はビットコイン埋立地ハードドライブ訴訟を棄却

英国裁判所は、廃棄物に関する法律と許可を理由に、ジェームズ・ハウエル（James Howell）氏の埋立地のハードドライブから6億ポンド（約1,168億円）に相当する7,500 BTCを回収する申し立てを却下した。

ウェールズのニューポート出身のITエンジニアであり、ビットコイン初期投資家の同氏は、7億7000万ドル相当以上のビットコインが入ったハードドライブを回収するための訴訟で敗訴した。英国の裁判官は、法的および環境上の問題によりハウエル氏の6億ポンドのビットコイン（Bitcoin/BTC）埋立地訴訟を却下。ニューポート評議会の環境問題により、6億ポンドのビットコインが保管されている埋立地の発掘が阻止され、裁判所は回収に関する法律を支持した。

裁判所は埋立地の所有権と廃棄物に関する法律が彼の請求を上回ると判断し、ハウエルの7,500 BTCは依然としてアクセスできない。アンドリュー・ジョン・キーザー（Andrew John Keyser）判事が下したこの判決は、サウスウェールズの埋立地へのアクセスをめぐるハウエル氏とニューポート市議会間の10年におよぶ法廷闘争に終止符を打つものだ。

2009年にマイニングされたビットコインが入ったハードドライブは、誤って廃棄され、埋立地に捨てられた。ニューポート市議会は、環境許可の制限により埋立地へのアクセスを拒否。最新展開として、ウェールズの巡回商事判事であるキーザー判事は、ハードドライブを回収するためにニューポート埋立地へのアクセスを求めたハウエルズの訴訟を棄却したと、2025年1月9日のBBCの報道で報じられている。市議会は、ハードドライブが埋立地に置かれると、現在の廃棄物処理法の下では市の所有物になると反論。同判事は、この訴訟は完全な裁判で勝訴する「現実的な見込みはない」と述べている。

環境問題で埋立地へのアクセス阻止

ニューポート市議会は裁判所に対し、ハウエル氏に埋立地の使用を許可すべきではないと述べた。

その理由は違法となるためであり、140万トン以上の廃棄物がある埋立地は、現在の許可では掘削できない。同氏は、ハードドライブが最後にあった場所である10万トンの廃棄物がある地域に捜索が集中していると主張。しかし市議会は、ハードドライブを取り戻そうとするだけでもヒ素、アスベスト、硝酸アンモニウム、メタンガスを地元の環境に浸透させる恐れがあり、環境に危険を及ぼす可能性があると主張。市議会の法定代理人は、計画されている掘削により市議会は環境法を「いい加減に扱う」ことになると述べており、裁判所は、一連の廃棄物管理法が同氏の紛失したデバイスに対する権利よりも重要であると主張し、議会を支持した。

合理的根拠がなく、裁判で勝訴する合理的な見込みもないと却下

BBCの 報道 によると、キーザー判事は、請求に合理的な根拠がなく、裁判で勝訴する合理的な見込みもないとしてハウエル氏の訴訟を却下した。

判決文では、請求を継続する正当な理由はないと述べている。ハウエル氏はニューポート市議会にビットコインの一部を複数回提出しており、市議会がハードドライブへのアクセスを手伝ってくれた場合、2026年までに10億ポンド（約1,947億円）以上の価値になる可能性があると見積もっていた。また、ハードドライブが見つかった場合は行方不明のビットコインの一部を提供すると申し出ていた。同氏は今判決について次のように語っている。

私の訴訟は、問題の資産の価値に見合う適切なレベルの考慮が払われず、完全な裁判で正義が実現する機会すら与えられなかったという事実において、英国の裁判所制度全体が私を失望させたと感じています。

ハウエル氏の事件は、失われたビットコインというより広範な問題と、それが仮想通貨市場に及ぼす潜在的な影響に注目を集めていた。