トランプノミクスはビットコインにプラスかマイナスか？【仮想通貨相場】

cointelegraph-jp-crypto2024/07/18 06:55

著者:Cointelegraph Japan

著者松田康生（まつだやすお）楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・66,000ドル台のダブルトップのネックラインに跳ね返される

・トランプ氏のインタビューでトランプノミクスの基本方針が明らかに

・財務長官候補のダイモンCEOの反暗号資産姿勢を軟化したと指摘

・トランプノミクスはBTCにプラスに働きそう

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は上に行って来いの展開。

未明に65,000ドル（約1015万円）をクリアに抜けると、一時66,000ドル（約1030万円）に乗せるも上値を押さえられると、一時64,000ドル（約1000万円）割れに失速した。ドル円が158円台から155円台に下落した影響で円建てで見ると上値の重い展開となっている。

BTCは独当局の売却が先週完了したことに加え、銃撃事件からの奇跡の返還を受けトランプ前大統領再選の可能性が高まったとの見方から、先週末から一昨日にかけて56,000ドル台から65,000ドル台に上昇した。

Mt.GOX がクラーケンに48,000BTC移動させたこともあり一時62,000ドル台に値を落としたが、独当局が売却の完了を公式にアナウンスし、また2日連続で米株が史上最高値を更新、金も史上最高値を付ける中、昨日未明にかけて65,000ドルをクリアに抜けてきた。

更に、ブルームバーグのトランプ氏へのインタビューで暗号資産は産業として成長しつつあるが、まだ赤ちゃんの段階で中国など他国に主導権を譲り渡すべきではないと米国内で推進して行く姿勢を示し、財務長官候補でアンチ暗号資産派で知られるJPモルガンのジェミー・ダイモン氏もトーンを変えてきているとのコメントが伝わると、前日のETFフローが420百万ドルに達したことも好感され、66,000ドルに2回タッチした。

しかし、5月から6月に形成したダブルトップのネックラインに上値を押さえられると、小さなダブルトップを形成し64,000ドル台に失速。

海外時間に入るとNYダウが3日連続で史上最高値を更新、BTCは65,000ドル台に値を戻すが、前日に高値を更新していた金価格は失速すると、BTCは一時64,000ドルを割り込んだ。

足元ではETFフローが一服する一方で、ETH ETFローンチに向け最終申請書類が出そろったこともあり、65,000ドルを挟んで高値圏でのもみ合いとなっている。但し、前出のトランプ氏のインタビュー冒頭で一番に円安是正を訴え、また河野デジタル相が円安阻止のために日銀に利上げを求めるとしたことでドル円が158円台から155円台に下落、円建て価格は一時1000万円を割り込んだ。